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将棋初心者のやりがちな手

将棋の初心者は駒の損得を意識しぎる傾向があります。相手より歩を多く持っているとか、相手の飛車を取ったとか、駒台に多くの駒が並ぶと満足してしまいがちです。

私も将棋を始めたばかりのときはそうでしたが、相手の駒を取るのは楽しいですし、勝利に近づいている気がしてワクワクします。2筋の飛車が相手陣に成り込めたら、近くにある香車や桂馬を取れるだけ取っていました。

たしかに相手の駒を取ることは楽しいですし、駒台に相手より多くの駒が並べば優勢ではあると思います。しかし、それだけで勝てるでしょうか?

将棋の目的・ゴールは相手の玉を取ること

将棋の目的・ゴールは何でしょうか?当たり前ですが、相手の玉を取ることです。それ以上でもそれ以下でもありません。相手の飛車や角といった大駒を取って喜んでも、自分の玉を取られてしまったら負けです。

初心者と中級者の違いはここにあり、中級者は玉を取るというゴールを常に意識します。もちろん駒の損得も重視しますが、それはあくまでも手段であることを理解しています。

相手の玉を取るべく、ときには大駒を切って、相手の玉の近くにある金をはがします。前述のように成り込んだ飛車で、意味もなく、近くにある香車や桂馬を取ることはしません。わざわざ手数をかけて、ゴール(相手の玉を取る)から遠ざかることはしません。

プロ棋士の将棋を見て、初心者が理解できないのはこの点です。「なぜここで飛車を切るのだろうか。もったいない」、「なぜ香車が取れるのに取らないのか。もったいない」と思ってしまいます。

しかし、前述のとおり、一見おかしく見えるような手もゴールに繋がっています。全部に意味があるのです。逆に意味のない手(ゴールに繋がらない手)は基本的には指しません。一手違いで勝負が決まる世界なので、遊んでいる暇はないのです。

将棋もビジネスも目的・ゴールを見失わないように

ビジネスも同じかもしれません。若い頃は、「目的と手段を取り違えるな」と上司からよく怒られました。営業なら、資料をきれいに作ることが仕事ではなく、契約を取ることが仕事です。資料はツール・手段で、目的・ゴールは契約を取って売上・収益を上げることです。

誤解をおそれずに言えば、とにかく契約を取ればよいのです。仕事といってもルールがあるうえでの単なるゲームですから。将棋と同じです。ここが分かると仕事のスタイルが変わってきますね。ゴールに向かって、効率・スピード重視で、シンプルになっていきます。

将棋で培った思考はビジネスでも役立ちますね。将棋も強くなりつつ、ビジネススキルも向上させていきたいです!

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