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週刊ポスト2016年8月5日号に志村けんさんの記事がありました。

志村けん、66歳。言わずと知れたお笑い界の大御所である。『天才!志村どうぶつ園』(日本テレビ系)は今年で12年目の長寿番組。『志村けんのバカ殿様』(フジテレビ系)は先日、30周年を迎えた。

左団扇──と言うと語弊があるかもしれないが、新しいことにチャレンジする必要がない立場だ。

ところが志村は、「体力的には厳しいと感じることもありますよ」と言いながら、毎年、あるチャレンジを続けている。それが、今年11年目を迎える舞台『志村魂』だ。7月30日の東京・明治座を皮切りに、名古屋、大阪と約1ヶ月間、27公演を行なう。

舞台『志村魂』の構成は、ほぼ11年間変わらない。「バカ殿」に扮して会場の空気をがっちり掴み、コントを複数畳みかけて会場を温め続ける。休憩を挟んで2幕冒頭は、志村の三味線独奏。そして松竹新喜劇の大スターであった藤山寛美の人情喜劇を披露する。

引用元:志村けん「『マンネリ』は俺にとっては悪い言葉じゃない」

小さい頃から志村けんさんの番組を見ていますが、”バカ殿”、”変なおじさん”をやり続けていますよね。小学生のときはTVを見て毎週大爆笑していました。中学生、高校生のときは『志村けんのだいじょうぶだぁ』等の定期放送も終わりつつあり、あまり見かけなくなりました。『志村けんのバカ殿様』のスペシャル番組がたまにTVでやっていましたが、まだバカ殿やっているのか、毎回同じだなと思い、見る気がしませんでした。ワンパターンだなと思っていました。

「バカ殿も変なおじさんも、純粋なんだよね。純粋すぎて周囲からは変に見えるだけ。そういう意味では俺も変わらないなぁ。頭の中、お笑いだけだから。バカ殿なんて30年やってるからね。『マンネリだ』って言う人もいるけど、たぶん他の芸人は、マンネリに行く前にやめちゃうんだと思うね。

マンネリは俺にとっては悪い言葉じゃない。むしろ褒め言葉。あのキャラたちを愛しているし、お客さんにも愛されていると思っている。ただ、自分が飽きないように、出し惜しみしています。街中でも取材でも、『アイーンやってくれ』『変なおじさんやって』とリクエストされることがあるけれど、俺は絶対にやりませんから」

引用元:志村けん「『マンネリ』は俺にとっては悪い言葉じゃない」

”マンネリに行く前にやめちゃうんだと思うね” ”マンネリは俺にとっては悪い言葉じゃない”というのは深い言葉ですね。歳をとるごとに継続することの難しさを感じますので、胸にささります。最近バカ殿を見ると、すごいなと純粋に思います。

プロの将棋の世界では、日々の対局の中で、さまざまな戦法が編み出されます。勝率を上げるために、プロ棋士は棋譜を見て、最新の戦法を学び、勝負に挑みます。中には、同じ戦法にこだわり、研究を進めて、勝負を挑む棋士もいます。有名なのは、加藤一二三九段です。

半世紀にわたる棋士人生を通して居飛車党を貫き、数々の定跡の発展に貢献してきた。また、よいと思った戦型はひたすら採用し続ける傾向にある。
何と言っても有名なのは、「加藤棒銀」と呼ばれるほど棒銀戦法の採用率が高く、四間飛車に対して居飛車穴熊が流行してもなお、棒銀で挑み続けている。また、相居飛車の一つである角換わりの将棋においても、棒銀を採用する傾向にある(一般的には棒銀よりも腰掛け銀を採用する棋士が多い)。

引用元:加藤一二三 – Wikipedia

将棋には勝ち負けがありますので、この戦法で来るとわかっていれば、対戦相手は対策を講じます。

羽生善治は「作戦が立てやすいことは立てやすいが、100%同じ戦法で来るとなると不気味でもある。一つの戦法を突き詰めていくのも一つの生き方だし、一局一局が確実に次への知識になる。悪いことばかりでもないようだが、作戦が読まれて相手の研究にはまる危険性を考えると現実にそういう人はほとんどいない。だが加藤先生は全然恐れておられないようだ」と書いている(羽生善治「羽生善治 好機の視点」小学館文庫、初出は月刊将棋マガジン)。

引用元:加藤一二三 – Wikipedia

羽生三冠にこのようなことを言わしめるとは、さすが加藤九段。

オチがばれていても笑わせ続ける志村けん、戦法をさらして勝負し続ける加藤九段。なかなか真似できません。マンネリではなく、チャレンジですね。生き様を感じます。味があります。歳のせいか応援したくなります!

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